●私の在籍した初期研修病院の良かったところ・良くなかったところ

私が初期研修を行った日鋼記念病院(以下、日鋼)の2年間を振り返り、日鋼の良かったところ・良くなかったところをまとめてみました。

初期研修病院を選ぶ際の判断材料になれば幸いです。

●日鋼の良かったところ

①食堂のご飯が美味しい

②宿舎の大浴場が快適だった

③お給料がいい

④研修中や救急外来の当直中に相談しやすい環境だった

⑤救急外来に各診療科の診療まとめメモがあった

⑥福利厚生が充実している

①食堂のご飯が美味しい

 食堂は平日のお昼ご飯や当直中のお昼ご飯・夜ご飯で利用します。

当直のご飯が美味しいとその日の当直のやる気が2割増しになります(笑)

ただし食事に関して合う・合わないがあるので、病院見学に来た際に確認してみてください。病院見学に来た際のご飯(前日入りなら夕飯、見学当日の朝・昼が用意してもらえます)を実際に食べてみるとよいでしょう。

②宿舎の大浴場が快適だった

 大浴場は清掃時間を除き24時間使用できます。清掃は毎日行ってもらえるので、毎日清潔なお風呂を利用できます。タオルも用意されており、自分の着替えとシャンプーセット(大浴場にもシャンプーなどはありますが私の好みではなかったです)・ドライヤー(こちらも大浴場にありますが風量が弱いです)をもっていけば気軽に入れます。女子風呂はシャワーが3つありますが、3つ同時に使用していることはめったにありませんでした。

病院見学の際はシャンプーセットはアメニティーとしていただけるので、見学の際には荷物が少なくて助かりました。

③お給料がいい

 基本給が他の市中病院よりも良かったことに加え、当直代も出ます。特に2年目研修医になると当直代が倍になるため、当直に入るほどお給料が上がって嬉しかったです。

④研修中や救急外来の当直中に相談しやすい環境だった

 研修医が上級医に相談する際も、上級医同士が相談するのも他科の垣根が低くいい環境でした。

特に2年目研修医になり基本一人で救急外来を担当する際は、診断・対処に迷う患者さんが来た際に相談がしやすかったです。

⑤救急外来に各診療科の診療メモのまとめファイルがあった

救急外来には何冊か救外当直の参考書がありますが、それとは別に各科の先生方がまとめ数年毎に亢進している診療メモのまとめたファイルがありました。持参した救急外来の参考書に詳しく載っていない項目などがあり、当直中何度も助けられました。

⑥福利厚生が充実している

 私もすべては把握していないので、私が利用した福利厚生を紹介します。

まずは無料の歯科検診です。日鋼と提携している市内の歯科クリニックにて無料で診察してもらえます。後日人事課から検診に行った御礼?ということで歯ブラシ・歯磨き粉・歯間ブラシのセットを頂きました。

次に小旅行です。霧笛会という共済会に毎月500円(給料天引き)払っているのですが、芋堀大会など季節ごとのイベントに少額で参加できます。私は北湯沢というリゾートホテルに日帰りで行き美味しいお昼ご飯と温泉を楽しみました。往復バスの交通費とお昼代・入浴料込みで3000円でした。とても贅沢な時間を過ごせました。

最後に紹介するのは、トマムリゾートをお得に泊まれる機会が年に1回、つまり初期研修中なら2回の機会があることです。トマムリゾートは一般価格で宿泊すると宿泊費が高いホテルの一つです。そこに”タワー”という宿泊地なら3000円~、”リゾナーレ”という宿泊地なら9000円~泊まることができます。この価格がどれほどすごいのか知りたい方は、トマムリゾートの公式ホームページから正規の宿泊料金を検索してみてください。

紹介した3つの福利厚生以外も、充実した福利厚生があります。ぜひ病院見学の際に確認してください。

●日鋼の良くなかったところ

①時間外手当がつかない

②救急外来で心疾患・脳疾患・精神科疾患に対応できない

①時間外手当がつかない

基本給が高いくせに何言っているんだ!と思われますが、時間外が少しやる気がでません。(その分時間内に仕事を早く終わらせようとするかもしれません)。基本給が高いのでボーナスもありません。社会主義国家で労働意欲がなくなる気持ちが少しわかったような気がします(笑)

研修医に期間中は基本給が高く、仕事量と比較して十分頂いていました。しかし後期研修医以上になった場合、時間外がつかないというのは案外よくないことかと思います。お世話になった先輩麻酔科によると、時間外の手術は何件やっても3000円以下と聞きました。この体制が今現在も続いているのか不明なので、確認する必要があると思います。

②救急外来で心疾患・脳疾患・精神科疾患に対応できない

日鋼での初期研修は、日鋼にない診療科は外病院で研修することが可能です。

しかし、時間外に対応できる医師がいないため、研修できない科の救急外来で対応が難しかったです。外病院の研修ではその科で学んだことを日鋼でも行えるように研修を行うのですが、やはり継続して診察を行わないと知識はどんどん抜け落ちます。

救急隊の方々は日鋼に心臓血管外科・脳神経外科がないのをご存じなのでこれらの疾患が疑われる患者さんは日鋼には救急搬送されることはありません。しかしこれらの疾患の患者さんはwalk in(自力)で来院することもあります。救急外来ではで患者さんが苦しんでいるのは何が原因なのか、何科にコンサルトすればよいのか常に考えます。日鋼にある診療科であれば相談しやすいのですが、他病院にコンサルトする場合はどの検査を行ってコンサルトするのか、検査結果が出るまで患者さんは待てる容態なのか、慣れない疾患であればなるほど内心焦ります。

自学自習で知識を蓄えることも大事ですが、やはり症例経験も大切だと思いました。

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