自分が麻酔科医として本格的に働き始めてもうすぐ2か月になります。
麻酔科の携わる分野は手術麻酔・ICU・救急・緩和があり、手術麻酔の中でも心臓血管麻酔・小児麻酔・区域麻酔、まだ認知度は低いかもしれませんが周産期麻酔が挙げられます。
私が2か月間働いてより興味を持った分野は区域麻酔と周産期麻酔です。
今回は、私の次の目標に掲げた区域麻酔の試験についてまとめます。
J-RACE(日本区域麻酔検定試験)とは
”日本の区域麻酔に関する知識・技能の水準ならびに日本区域麻酔学会の教育活動効果を客観的に評価するため、日本区域麻酔学会は年に1回、日本区域麻酔検定試験(Japanese Regional Anesthesia Certificate Examination : J-RACE)を実施します”
(日本区域麻酔学会のHP参照)
J-RACEについて、日本区域麻酔学会のHPを参考にして以下にまとめました。
・開催日時:4月第2日曜日
・会場:日本区域麻酔学会の開催地
・申込期限:前年の11/1~11/30
・受験資格:日本区域麻酔学会の会員であること
・受験料:10,000円
・合格証発行費:10,000円
・合格証の有効期限:なし
J-RACEの試験内容は以下のとおりです。
・試験範囲:日本区域麻酔学会のガイドラインから参照される
・試験構成:マークシート択一式問題(A-Type:回答を1つ選ぶ、X2-Type:5択から複数の回答を選ぶ)
・受験時に必要なもの:受験票・筆記用具(消しゴム・鉛筆)・腕時計
試験範囲について補足すると、日本区域麻酔学会のガイドラインを参考に12の内容に分類され、そこから均等に出題されるとのことです。
主に、区域麻酔に使用する薬剤・解剖知識・生理学な知識、各部位の神経ブロック、脊髄クモ膜下麻酔、硬膜外麻酔、ペインクリニック、など幅広い知識が求められます。
日本区域麻酔学会によると参考テキストは4つありますが、日本語版は1つだけでした…
・Textbook of Regional Anesthesia and Acute Pain Management
・Hadzic’s Peripheral Nerve Blocks and Anatomy for Ultrasound-Guided Regional
Anesthesia
・問題形式で学ぶ区域麻酔と疼痛治療
・Bonica’s Management of Pain
(日本区域麻酔学会のHP参照)
2021年4月の3回目J-RACEを受験した先輩に試験の感想を伺いました。
「解剖の知識が6-7割で、薬理の知識が2-3割だった。薬理に関してはペイン関連の知識が問われた」
「日本区域麻酔学会の参考テキストは、あくまで参考程度」
「試験で問われる内容がマニアックだった」
あくまで一個人の感想なので第4回以降のJ-RACEも必ずしも同じ傾向ではないと思いますが、参考にしてみようと思います。
さいごに
あくまで試験は自分が身につけた知識を確認するためにあり、学んだ内容は日々の診療で発揮されてこそ意味があります。来年の4月に向けて少しずつ準備を進めつつ、毎日の麻酔も上達できるように頑張ります。