●静脈ルート確保のコツ 症例を通じて学んだこと③

麻酔科にとって静脈ルートの確保は、鎮静・鎮痛・筋弛緩の薬物投与のために不可欠なものです。

そして、点滴漏れや滴下不良のない完璧なルートである必要があります。

病棟から点滴がつながれていたり、手術室の看護師さんがルートをとって下さることもありますが、自分でルート確保することでより自信をもって薬剤投与や循環管理ができます。

しかし、よほど緊急の手術でない限り手術前は患者さんは最低2時間前は絶飲しており、血管内ボリュームが不足して血管がペタペタしている可能性が高く、静脈ルートを確保するのには厳しい条件である可能性があります。

このような状況でも少しでも穿刺部位が確保できる状態にするコツをまとめました。

静脈ルートのコツ

まずは前腕の中枢側、筋肉が張っているところを駆血帯で巻きます。筋肉が薄いところで駆血するよりも筋肉による圧迫が追加されます。

この際に、おそらく患者さんは手術台で仰臥位になっていると思うので、

 ①患者さんの心臓より低い位置に腕を下ろし、

 ②下ろした時に駆血帯を巻きます。

 ③駆血帯を巻いた後に、手台など、患者さんの無理のない安定した体勢に前腕を戻します。

この工夫をすることで、より静脈血がうっ滞しやすく、駆血帯をまいた後に静脈のボリュームが増して穿刺部位を確保しやすくなります。

その他の工夫として、穿刺前の消毒を中枢から末梢に向けて行いうっ滞血を増やす、優しく血管のある部位をたたく、などがあります。

是非試してみてください!

タイトルとURLをコピーしました